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zoom RSS ちっぽけなミツバチに助けられたキイロスズメバチの大将の物語

<<   作成日時 : 2009/09/09 19:00   >>

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童話『 キイロスズメバチ:大将キヒカリの物語 』


ー起ノ章:帰巣ー


秋の太陽が山の端に傾いた。
辺りにはもんやりと霧がわき、雨がぽつぽつとやってきた。

こりゃ、たまんねえ・・羽根がぬれて からだが冷えると、飛ぶ力が弱っちまう。

おいらはスイスイと雨粒をよけながら、帰り道を急いだ。
巣は、山奥の横倒しになった樫の木の下。そこにまっしぐらだ。

そう、おいらは黄色スズメバチ。名まえはキヒカリという。
ビューと飛んでいる姿が、まるで黄色の光のようだからと、この名まえがつけられた。
巣にいる働きバチのなかでは、いちばん力が強く、大将なんてごたいそうな役を務めている。
今は、食物となるミツバチの巣を探しに出かけていたところの帰りだ。

おやおや・・・

おかしな白い綿を引っ提げて、フラフラ飛んでいる仲間がいる。よく見れば、羽根が少し灰色がかっている。
巣のなかで、いちばん気のあう仲間、ハイバネだ。生まれた時も、前の巣で、大スズメバチに襲われた時も一緒だった。

「ハイバネ。おまえ、なにもってるんだ?」
横に並んで、声をかけた。

「あっ、大将。こいつは、山の麓のビワの木の枝に置いてあったんですぜ。変なものがついてるが、なんとも美味そうでやんしょ」

確かにそれは、最高に美味そうな肉団子だった。なんの肉かは知らないが、汁気がしみ出ていて、口のなかでとろけそう。見ているだけで涎があふれてくる。

でも、なんで綿なんてついている・・それに、こんなものが、放っておかれるなんて・・

「ちょっと、まて」
おいらは、ハイバネを引きとめ、近くの木にとまった。

と、なにかが 茂みを掻き分けて近づいてきた。
現れたのは二人の人間だった。立ちどまって、こちらを見上げている。

[ナカマガ アラワレタ。スハ チカイ]
にたつきながら、一人がしゃべった。

なにをいったかは判らないが、おいらにはピーンときた。
人間たちは、ハイバネに目印つきの肉団子を持たせて、巣への道案内をさせていたのだ。
人間に襲われた巣は、ごっそりそのままなくなっちまう。その先はどうなるか・・考えただけでもぞっとする。

「ハイバネ、そいつをよこせ!」
肉団子を奪って飛び上がった。

「なになさるんで」
「こいつは人間のしくんだ罠だ。巣に持っていったら、おいらたちは全滅だ」
情けない顔をしたハイバネに、びしっとばかりに言ってやった

「あたた、そいつあ、危ねえところでやんした。で、どうするんで」
「もしや、変なものが入っているかもしれん。どこか遠くに捨ててくる。おまえは先に帰って、見張りの数を増やすように伝えてくれ」

「がってんでさあ」
ハイバネはあっという間に、茂みのなかに消えていった。

おいらは人間たちをおびき寄せながら、巣とは、だいぶ離れた所に生えている松の木の葉に、肉団子を突き刺した。

[コンナトコロデ、エサヲ ハナシテシマウナンテ]
溜息をつく人間たちの間を、ブイブイーと唸りながら飛び抜けた。

・・ ・・ ・・

樫の木の根元にあいた巣の入口では、数を増やした門番たちとならんで、ハイバネが待っていた。

「ご無事のお帰り なにより」
「大したことではなかったさ」
心優しい仲間と触覚を揺らしあい、おいらは巣に入った。

「お帰りなさい、キヒカリ様」
まだ小さくて飛べない子どもたちが、可愛らしく首をふって迎えてくれた。

山の裾からてっぺんまで飛び回り、おまけに人間の相手もしてヘトヘトだったが、そんなことは言ってられない。おいらは早速、女王様のもとに向かった。

「それで大将殿、よい巣はありましたか」
甘い息をはきながら、女王様が聞いた。

「ええ、確かに麓のほうにゃ、ごろごろありました。ですが、あれには手が出せねえ。近頃は、いつも人間が見張っておりますに」

「そうですか」
女王様はがっくり肩を落とした。

むりもない。
ここんところ、手に入る肉ときたら、すかすかで味も素っ気もないものばかり。
あの栄養たっぷりのミツバチのお肉などには、滅多にありつけていないのだ。
巣のなかは皆腹ぺこで、子どもたちだって ずっと我慢している。

「がっかりしねえで下させえ。実は一つだけですが、とびきりの巣を見つけております。崖の途中の桜の木のウロのなかにあって、あそこを襲えば、みな腹いっぱいまちがいなしです」
黙っておきたかったことだが、女王様の辛そうな顔に つい話してしまった。

「それはなにより。お務めご苦労さま。今日は、じっくりお休みなさい」
女王様は、瞳を明るく輝かせていった。

おいらは丁寧にお辞儀をして、自分の寝場所に退いた。

・・ ・・ ・・

「確かにあの巣はとびきりだ。だがなあ・・・」
「大将がぼやくなんて珍しい。なにかあったんすか」
いつの間に戻ったのやら、ハイバネが声をかけてきた。

うっかり口が緩んでいた。大将のおいらが、襲撃を迷っているなんて知られたら、皆の戦う意欲がなえちまう。

「うんや、なんでもない」
腹に力を入れて、しっかり答えた。

けど・・
やっぱり、おいらは気になっていた。
あそこの連中は、人間に飼われているミツバチと違って、からだは小さいし、黄色の縞模様もくすんでいる。
それはよしとして、おいらが近づくと、目がチカチカするほどに、尻を振りはじめた。あんなのは初めてだ。もっと、なにかありそうな気がする。

・・まあ、考えたってしかたがない。なにせ相手は、こちらの子どもほどもない ちっぽけなミツバチ。戦いの練習にもなりゃしない・・

おいらは、グゥーと鳴った腹の音で、気持ちを切り換えた。
なにはともあれ、一休みだ。ほんわりした温かさのなかで、目を閉じた。




ー承ノ章:出撃ー


「ふわー、よく寝た」

次の日、目が覚めた時、おいらの羽根は、はち切れんばかりに伸びていた。外は太陽がカンカン照りつけているに違いない。

「起きろ、出陣だ!」
牙を打ち鳴らして、働きバチたちを起こしていった。

「ずいぶん、気合いが入っていますな」
ハイバネが苦笑いしている。

「今日は特別だ」
肩をいからせたおいらは、巣の入口にすっくと立った。

「よいか、これより向かうは、これまで出会ったなかで、一等でっかい獲物だ。準備はいいか、牙はといだか!」
目の前に並んだ数十匹の力自慢、牙自慢の仲間に、大声で言った。

ウオーウ!!!
巣がびりびり震えるほどの声が返った。

「よろしくお願いします。我らのために、子どもたちのために!」
進み出た女王様が、頭を下げた。
「承知いたしました。では、行って参ります」

門番に立てる若い仲間を巣に残して、おいらたちはいっせいに飛び立った。
獲物はもちろん、昨日、見つけたミツバチの巣だ。ブォーンと羽音を響かせて、山を登り、崖に向かった。

ほどなく、めざす桜の木が見えてきた。巣の入口のウロの下の方では、木肌から染み出た蜜が、てらてらと光っている。

「なんて素敵なんだ。あの深いウロのなかでは、ご馳走 食べ放題に違いねえ。それに、お土産もたんまりだ」
ハイバネが愉快そうに笑った。仲間たちも嬉しそうに牙を鳴らしている。

それまでミツバチたちは、呑気に飛びかっていたが、おいらたちの羽音を聞きつけ、門番を中心に、巣の入口に集まった。

シャーッ シャーッ 

ほうれ おいでなすった。
ミツバチたちは、縞模様の尻を、音が鳴るほどに、激しく振り始めた。見つめていると、目がチカチカして、なにがなんだか分からなくなってくる。

「あんな目眩ましにやられるな。相手はちっぽけなミツバチだ。行くぞ!」
クラクラきている仲間に気合いを入れ、おいらは、先頭を切って突撃していった。

「邪魔だ、邪魔だ、道を開けろ」
門番たちを蹴散らし、巣の入口につめを立てた時だ。思いも寄らぬことが起こった。

「ぼくたちを見くびるな」
ミツバチたちが、ゾワゾワと溢れ出てきたのだ。
これまで相手にしてきた連中は、一匹ずつやってきた。だからすぐにやっつけられた。だが、こいつらときたら、集団で、いっせいに攻撃してきたのだ。

おいらは負けてはならじと、自慢の牙をむき出した。
小さなからだが、バラバラと下に落ちていく。だが、巣穴からわき出てくる相手の数といったら。

「こっちも集団で、一気に攻めなければ!」

なんとか首を回して後ろを見た。
仲間たちは、一匹ずつやってきている。入口が狭いので、どっと押し寄せることができないのだ。それで木にとまったとたん、すぐに取り囲まれてしまっている。

「大将、いま、お助けしますぜ」
ハイバネが飛び込んでくるのが見えた。

「だめだ!」
おいらは叫んだ。

だが、声は届かなかった。隣にやってきたハイバネも、あっという間に、ミツバチの塊に覆われてしまった。そのうち、周りが見えなくなった。

あたり一面、狂ったような羽音が響く。

熱い!
周囲の温度が、やたら高くなってきた。まるで真夏の太陽に炙られているようだ。
うう、からだが痺れてきやがった。

・・そうれ、みんながんばれ!もう少しでスズメバチをやっつけられるぞ・・
ミツバチの歓声がかすかに聞こえた。

おいらは最後の力を振りしぼり、目の前の相手に、牙を突き立てようとした。だが、もはや叶わなかった。目の前が真っ暗になった。



ー転ノ章:友情ー


涼しい風が、そわそわと羽根を揺らしていた。トロリと甘いものを、誰かが口に流してくれている。

「ねえ、君、しっかりして」

可愛らしい声に目を開くと、ちっぽけなミツバチがのぞきこんでいた。
ずっと上の方に桜の木があり、蜜が滴っていた。ミツバチはそれを運んでくれていたのだ。
隣には、羽根をもがれ、小さく縮こまったハイバネのからだがあった。あちこちに、冷たくなった仲間たちが転がっている。

「ああ、ハイバネよ。それにみんな・・おいらのせいだ。もっときちんと計画を立てていれば、こんなことにはならなかった」

「君のせいじゃないよ」
小石を噛んだおいらの横で、ミツバチが優しくささやいた。

「ぼくらは日本ミツバチ。麓で、人間に飼われているミツバチと違って、君たちとの戦い方を知っている。君たちは、ぼくらが取り囲んで作った熱にやられたんだ。これまで何度も、スズメバチに襲われたけど、そのたびにそうやって戦ってきた」

「お慰みなんていらない。おいらはあんたらの敵の大将だ。ひと思いにやってくれ」
そういって 首を突き出した。
でも ミツバチは頭を振り、足の股についていたコスモスの花粉を、おいらの口に入れてきた。

「だめだよ、そんなこといっては。戦いは、もう終わったんだ。だから、お互いに、命は大切にしなくては」

「格好つけやがって!」
おいらはろくな言葉もかえさなかったが、少し離れたところから聞こえる騒がしい足音に目を向けて、息を飲んだ。

仲間たちのからだの向こうに、山ほどのミツバチのからだがあった。
こちらがやられたのは数十匹。それに比べて、ミツバチは、百匹どころではなかったのだ。
騒がしい足音は、軽いミツバチのからだを運んでいくアリの大群のものだった。

「ぼくたちは戦いを生きのびた。死んでしまった仲間のためにも、それぞれの命を大切にしなければならないんだ」
ほろ苦い涙が、口にこぼれてきて、胸の奥でじーんと広がった。

・・ ・・ ・・

蜜と花粉のおかげで、おいらのからだはしゃんとしてきた。
羽根の先が、少し欠けているが、飛ぶのには問題ない。起き上がりながら、目の前のミツバチに、頭を下げた。

「おいらは、キヒカリという。黄色の光にちなんで名づけられた。おまえさんは?」
世話になったと思ったら、まず 自分から丁寧に名を伝える。そして 相手の名を聞いて、礼を言うのだ。

「ぼくはトオハチ、巣のなかで十番目に生まれたんだ」

「ありがとうよ、トオハチ」
いいながら、空中に軽く飛び上がった。

「うはー大きい。やっぱり 君は強そうだね。迫力満点だ」
おいらのからだの半切れほどもないトオハチは、目を見張って息をもらした。

「まあな。けど大きさは、強さには関係ない。仲間を大切に思う気持ちがあって、そんでもって、頭を使わなければならない。そいつを、おまえさんたちが教えてくれた」
トオハチは嬉しそうに、大きな尻をプルンと振った。

ああ、なんておいしそう・・おいらの牙が、カチカチと鳴った。

「いかん!こんな近くで、おまえさんを見ていると、世話になったことを忘れちまう」
ぐいと上を向き、あふれそうになった涎を飲み込んだ。

「それはよかった。元気になったということだもの。キヒカリさんとぼくは敵同士。こんなふうに話ができただけでも奇跡なんだ」
トオハチは笑いながら遠ざかり、くるくると回りはじめた。

「なんだい、お別れの挨拶かい?」
「うん、似たようなもの。お別れの前に、おいしい樹液が染み出ている木があるところを教えようと思って。よく見て、ぼくの回った二つ丸の 重なった線の先にあるからね」

おいらは、目をしぱしぱさせながら、じっと見て、木の生えている場所を覚えた。

「けど、トオハチよ。おまえさんは、どうしてそんなに親切なんだい」
「ぼく、また君に会いたいような気がするんだ。その時に、君のお腹が減っていたら食べられてしまう。そうならないようにね」

なんてやつ・・

おいらは、トオハチにこれっぽっちもいいことをしていない。それなのに、また会いたいなんて・・ちくしょう、涙があふれてきやがった。

「お、おいら、もう、帰らなければ。若いやつらが、巣を守ってくれているが、ちと、頼りなくてな」
背を向けたままいい、高く飛び上がった。

「さようなら、キヒカリさん」

「さようなら、トオハチよ、仲間たちよ」



ー結ノ章:使命ー


おいらはトオハチが教えてくれた木を探し、その液を吸った。ハチミツほどじゃないが、栄養はありそうだし、味も十分にいける。

「うんうん、こりゃいい」
独り言をいいながら、ふと、周りを見れば、遠まきに、ちっぽけな虫たちがいっぱいいた。

「ここはまるで、オアシスってところみたいだ。樹液があふれていて、それを吸いに、美味そうなお肉たちが、とっかえひっかえやってくる。ふっふ、みんな喜ぶぞ」

にやつきながら巣へと向かったが、途中、恐ろしい鳥、ハチクマが急降下してきた。
おとなのおいらが襲われるわけじゃないが、目をつけられたら面倒だ。後をつけられ、子どもたちが餌食になるとも限らない。
おいらは慌てて藪に飛び込み、じっと木の枝の後ろにつかまった。

ハチクマは、しばらくあちこちを探していたが、やがてどこかに飛んでいった。

「やれやれ、もう、お邪魔はなしにしてくれよ」
ぼやきながら出発しようとした時だ。木の根元の方から、低く不気味な声が聞こえてきた。

「バサバサうるさいハチクマめ。せっかくの出撃が遅れちまったじぇねえか」
「親分、まだ油断はできませんぜ。でも、焦ることはありやせん。あのミツバチの巣は、逃げたりはしませんって」
「ふっは、確かにな。間抜けな黄色スズメバチのおかげで、あそこには、戦えるおとなは、ほとんど残っていない。ご馳走は、すんなり腹のなかだ」
「まったく。はあ、ありがたや ありがたや」

胸がドキンと鳴った。誰かが、あのミツバチの巣を襲おうとしているのだ。
しかも、おいらたちのことを、間抜け呼ばわりしている。いったいだれだ!こっそり枝を伝い、葉の間から下をのぞいた。

・・なんてこった!・・

石が折り重なった地面には、ぽっかり穴が開いていて、その中に、オレンジ色の頭をした連中が、もどもぞと動いていた。
大スズメバチだ。
今、こいつらに襲われたら、あの巣はひとたまりもない。かといって、おいらが飛び込んでいっても、どうなるものでもない。
 
おいらは 連中に気づかれないように、そうっと木から飛び上がった。

風に頭を冷やしてもらいながら、おいらは考えた。
理屈で考えれば、こちらが狙っていたご馳走が、他の連中の口に入ることになっただけ。惜しいことだが、代わりに 素敵な木が生えているところを知ったし、放っておいたってかまいやしない。

けど・・あのトオハチのからだが、引きちぎられてしまうなんて。

想像しただけでも、胸が苦しくなってきた。くそう、やっぱり放ってはおけない。
あいつからもらった ほかほかしたおかしなものが、根っこを生やしてしまったようだ。理屈なんかで、捨てられるものではない。

「どうしたらいい」
なにかあるはずだ。いくら大スズメバチが強くても、勝てる方法はきっとあるはず。それはいったい・・

「ああ、天国にいるハイバネよ。お門違いってことはわかってる。けど、どうか おいらに知恵を与えておくれ」
空に向かって祈った。

その時だ。ガサガサと草をかきわける音が下に響いた。昨日の人間たちだった。

−−大将、敵の敵をうまくつかいなせえ−−
どこからか、ハイバネの声が聞こえたようだった。はっと気がついた。

「ようし、いちかばちだ」

おいらはブイブイと、人間たちの周りを飛び、おもむろに木にとまった。

[コイツハ イイ アンナイガ ヤッテキタ]
一人がおいらの横に、白い綿のついた肉団子を置いた。
思った通りだ。そいつをつかんで飛び上がった。

[サア、スヘノ ミチヲ オシエテオクレ]
人間たちが、後を追ってきた。

・・お探しの巣はすぐ近く。しっかり ついてきてくだせえよ・・
ほくそえむ人間たちに、精一杯に羽根を振るわせてこたえてやった。見失われないように飛んでいく。

じきに、さっきとまった木が見えてきた。
もう少しだ。人間たちが、こちらを見ているのを確認しながら、地面にぽっかりあいた巣に降りていった。

「なんだ。おまえは?」
熟したような柿色の頭をした門番が、ギラギラ光る牙を打ち鳴らした。

「おいらは黄色スズメバチの大将、キヒカリ。世話になったミツバチを、助けるためにやってきた」

「なにを、わけのわからんことを。うはー、美味そうなもの、持ってるじゃねえか。こっちへよこせ!」
おいらよりも、ひと回りもでかいやつが、飛びかかってきた。その尖った牙に肉団子を放りつけ、ブォーンと舞い上がった。

「うんめえ。ついでに、おまえも喰ってやる」
綿を引きちぎり、肉団子を一飲みにした大スズメバチが追いかけてきた。
が、急に空中にとまった。おいらの後ろに、ネットのついた帽子をかぶろうとしている人間を見つけたのだ。

「たいへんだ。人間がやってきた。親分、親分!」
叫びながら、巣に戻っていった。

・・ ・・ ・・ 

あとのことは、おいらは知らない。
人間たちは、まだ十分に準備をしていなかったからだ。もしかしたら、大スズメバチの逆襲を受けてしまったかもしれない。

でも確かなことは、トオハチの住んでいる巣は、しばらくは安全だということ。
その間にも、あそこにいる子どもたちは大きくなり、おいらたちに襲われた巣を捨てて、どこかに引っ越すだろう。

はたしてもう一度、トオハチに会うことはあるんだろうか。会いたいような気もするが、会っちゃいけないような気もする。

「かー、生きるってこたあ、たいへんだ。けど、いいことだって、ちっとはある。
さあ、今度こそは、寄り道をせんぞ!」

おいらは自分の巣をめがけ、真っ直ぐに飛んでいった。


                                                おわり



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ー愛を求めたドロボウと少女の物語ー 童話 『 唐草三五郎 〜ワタシの愛したドロボウさん 』 ...続きを見る
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