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zoom RSS 草の一本も生えていない町で生まれた花の妖精の物語

<<   作成日時 : 2009/09/12 20:29   >>

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Felimo〜おっちょこ妖精の素敵な贈り物

画像


 後ろに英文を掲載してあります。


フェリモは 花の妖精です。
仕事は、もちろん きれいな花をさかせること。
だけど、ほかの花の妖精とちがって、背中には羽根がはえていません。
だから空はとべず、小さな杖をもって、ちょこまか歩くばかりです。

そんなフェリモは
「ふぁー、ひまひま」と、毎日 あくびばかりしていました。
というのも、
「オイラの生まれたこの町は、アスファルトの道とコンクリートのビルばかり、草のかけらもありゃしない。おまけに人間たちとくりゃ、いつもせかせか働いて、花のことなんて忘れちまってる」
というわけなのです。

ときどき、ほかの花の妖精たちが、空の高い所をとんでいくのが見えました。

「おーい、みんな、遊びにおいでよ」
なんども大声でよびかけましたが、妖精たちは気づきませんでした。
草も木もない灰色の町は、花の妖精たちには見えなかったのです。

「もうオイラ、こんなところ ごめんだ」
フェリモは一度、町を出ていこうとしました。でも、町境をこえようとすると、からだがフニャフニャになって、かないませんでした。
羽根のない妖精は、生まれた町ですごすしかなかったのです。

仲間もおらず、いつも、ぶらーり ふーらふら・・ ・・

「どうしてオイラは、この町に生まれたんだ」
ある日、高いビルの屋上でさけびました。

すると、空を走ってきた風の妖精が、ヒュルンととまって聞いてきました。
「どうして、わたしは空を走っているの?」
「そりゃ、走って風をおこすのが、あんさんの仕事だからよ」
答えてあげると、風の妖精はうれしそうにおじぎをして、ピューッと走っていきました。

「フェリモくん、わしにも教えておくれ」
おどろいたことに、今度はビルの妖精が聞いてきました。屋根から、かたそうな頭をのばしています。
「なぜ、わしはここに たっているんだい?」
「そんなのきまってる。この町の人が、あんさんの部屋を使いたいからよ」
「なぁるほど」
ビルの妖精は、お礼もいわずに、コンクリートの中にきえました。

「なんだいなんだい。聞きたいのは、オイラのほうなのに」
フンッ!
と ビルをけろうとしたところ、
おっとと・・勢いあまって足をふみはずし、地面にまっさかさま。

ゴチン!
頭に大きなコブを作りました。

「いってて。おやおや、ほほーう」
頭をなでたフェリモは、大事なことに気がつきました。

「オイラ、自分にきちっと聞いてなかった。
ねえ、オイラって、なんで この町に生まれたんだい?」
お店のガラスにうつった自分に聞いてみました。
でも口は、むっつり とじたまま。

「えーい、聞きかたがわるかったのかな。
コホン、ぼ、ぼくちんって、どうしてこの町に生まれたのかしら?」
すると、ガラスの中の自分が、もじもじしながら答えました。

「みんなと同じ。あんたさんが ここに生まれてきたのにもわけがあります。そのことに気づいていないだけなのです」

フェリモは自分の姿をじっと見つめました。
「仲間とちがって、オイラにゃ 羽根がはえていない。そのかわりに、こいつをもっている」
そういって、杖をブラブラふってみました。
「でも、ジイちゃんの妖精じゃあるまいし、なんで こんなもん持ってんだ?」

フェリモは、杖をあれこれ使って歩きはじめました。
地面をコツコツつついたり、高い所にひっかけたり、くるくる回したり・・・いろんな方法をためしました。
そうやって、町のはしからはし、建物の地下から屋上まで歩きました。


「とうとう、こんなところまで来ちまった。だのに、なんにも起きなかった」
町のはずれにある鉄塔を登りながら、フェリモはぼそぼそといいました。
だけど、
「おやや」
鉄塔のてっぺんから見おろした町は、何かが変わっていました。

灰色のビルも道路もそのままです。木や草がはえている様子はありません。
目玉がこぼれそうになるくらい じっと見て、やっとわかりました。
町全体が、温かそうなうすい黄色の光に包まれていたのです。

「あれは、お花にお日さまがあたったときの光じゃないか。
なんだい、花なんてさいてないくせに。この町はオイラをバカにしてるのか」
あんまり腹がたったので、町にむかって杖を投げつけました。
「ヘヘーン、ざまあみろってんだ。・・・おんや」
あっかんべーをして、大きくのばした舌が、ベコーンとのどの奥にはじきかえりました。
くるくると回りながら落ちていく杖からは、黄色の光が流れ出ていたのです。

「なんてこったい。あの光をばらまいたのは、オイラだったってことか」

あわてて宙にとびだし、杖をつかまえました。
そのまま地面に、ゴチン!!
またまた、頭に大きなコブを作りました。

「いてて。でも、痛いどころじゃない。
なんでオイラ、こんな光をバラまいちまったんだ」
フェリモは、頭をすっきりさせるために、コブをつつきながら歩きはじめました。

「いてて、オイラは花の妖精。そんだけど、生まれた町にゃ 草も木もない。
いてて、そんでもって、オイラはお花の光をばらまいた。 そんでそんで、そのわけはとくりゃ」

答えが見つからないまま歩いていくと、おかしなことにぶつかりました。
人々が、しきりに首をかしげていたのです。
楽しいことを考えているように、顔はにこにこと笑っています。車に乗っている人、ビルの窓から外をのぞいている人も、みんなそうでした。

「おいおい、どうしちまったんだい。いつものせかせかは、どこにいっちまったの?」
フェリモは、姿が見えないのをよいことに、前にたつ男の人のほほをつねりました。

『あたた!だれかにつねられてもわからない。これまでなかったけれど、今はここにあるみたい。それはいったい何なんだ?』
男の人は、にこにこしたまま いいました。
耳をすませば、みんな同じことをつぶやいています。

フェリモはピーンときました。
「そりゃ、お花だよ。あんさんたちゃ、半分わかってるんだ。それなのに、はー じれったい」
フェリモは、人々の耳をひっぱって広げ、
「それはお花!」
と どなりました。
でも、人間には、妖精の声はとどきませんでした。

『まあ、あれは?!』
フェリモの横で、女の人が空を指さしました。

みんなが見上げた先には、黄色、むらさき色、白色、いろんな色のものが、ひらひらと飛びかっていました。
『あれはチョウチョウ。
ということは、ここにあるみたいなものは、えーと、うんと・・』
のどにつかえものをしたようなメガネをかけた男の人の背中を、
「それ、もう一声!」
フェリモは杖でコツンとつつきました。

『花だ!それも町いっぱいの花だ』
男の人は うれしそうにさけびました。
『そうよ。花よ』
『チョウたちは、この町が花にあふれていると思って、遠くの森からやってきたんだわ』
みんな口々にいいました。

「やれやれ、やっと、おわかりですかい」
どなりつかれたフェリモは、地面にへたりこみました。

『ずっと前から、この町には、何かがたりないと思っていた。チョウをさそってくれたものが、それを教えてくれた』

仕事はそっちのけ。
人々は力を合わせて、花をさかせるための花壇を作りはじめました。
なにせ、もともと働き者の人々のやることです。
あれよあれよという間に、町じゅうに花壇のわくができました。そして、となり町からとりよせた土をしき、種をまきおえたのです。

『ああ、ここに、花の妖精というものがいてくれたら』
『そのよび声で、すぐに花がさくでしょうに・・』

フェリモはよいしょと立ち上がりました。
「ちっとは休ませておくれよ。また町じゅうを歩かないといけないんかい」
ぶつぶついいながら、歩きはじめたフェリモでしたが、よいことを思いつきました。

杖をつきながら、よたよたと町の放送塔までいくと、マイクにむかっていったのです。
「オイラの友達、お花さん。
お目々ぱっちり、かわいいお顔。どうか見せてちょうだいな」
大きなスピーカーからとびだした声は、町じゅうの花壇をぶるぶるとふるわせました。

土の中の種が、たちまちむくりと芽を出しました。
そして ずんずんのびて、色とりどりの花をさかせました。

・・ほれほれ さいた、わいわい さいた・・
 人々の喜びにあふれた声が、放送塔まで聞こえてきました。

「ふぁー、オイラ、つかれちまった」
大きなあくびをしたフェリモは、ゴロリと横になり、ズウズウといびきをかきはじめました。


「まあ、なんて、かわいいお花たち」
「いったい、だれかしら、きっとすてきな仲間がいるんだわ」
あれまあ、これまで通りすぎていた花の妖精たちが集まってきています。

フェリモは、そんなことにはおかまいなし。
幸せそうな顔をして、寝言をいいました。
「ムニャムニャ、もう、仕事はかんべんしておくれ。オイラはすんごくねむいんだ」

                                     おわり




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【Wonderful gift from Felimo】

Felimo was a flower fairy. Naturally, his work was to make plant in bloom.
However, Felimo didn't have wings unlike other flower fairies.
So he could't fly around, just walked restlessly with a cane in his hand.

Felimo had been always yawning .  
"It's tedious ...boring ."

"Because this town where I was born is covered with asphalt-roads and concrete-buildings, and doesn't have even a fragment of grass. Additionally, people in this town devote themselves to work , and have forgotten any flowers."

He had sometimes seen other flower fairies flying past high up in the sky .

"Hi!... Hey! ..Come down everybody ..Let's play together. "
Felimo called out loudly, but fairies didn't notice him .
The flower fairies couldn't see the gray town where any grasses and trees didn't exist .

"I want not to be here anymore. "
Felimo had decided to go out of the town once.
However, he had lost his strength from the body when he tried to cross the town boundary.

The wingless fairy had to spend his whole life living in the town he was born.
There was no companion, nothing to do, wandering aimlessly.



"Why was I born in this town?"
One day, he cried out on the rooftop of a high building.

Then, a wind fairy running in the sky stopped in front of him.
"Why am I running in the sky?"
"It is because it's your work to cause the wind by your running.."
"Oh,I see.Thank you."
The fairy bowed happily and ran off somewhere in the sky.

"Give me an answer, too. "
To Felimo's surprise , this time, a building fairy asked extending its hard head from the roof.
"Why am I standing here?"
"It is simply because the people in this town want to make use of your rooms."
"Indeed."
The fairy disappeared in concrete without saying any thanks.

"Impolite fellow! It's just me who wants to ask a serious question."

"Hun!"He was about to kick down the building.
"To t t. Woo-wah"
He lost his balance, and fell down headfirst on ground.

Thud!!
He got a big bump on his head.

"Oh! That hurts."
He stroked his head gently.
"O! Somehow, it occur to me."
Felimo thought of an important thing.



"I've never asked to myself."
He looked at the window of a shop and asked his reflection.
"Tell me why I was born in this town?"

However, his reflection in the window wouldn't open its mouth sullenly.

"Huhm , the way of asking was impolite, wasn't it? Well..Would you mind answering my question why I was born in this town? "
"Not at all."The reflection said.
"Everyone is the same. Naturally,there is a reason why you were born here. You haven' t found it out yet."

Felimo gazed on his reflection.

"I don't have wings unlike other flower fairies, but I have this instead."
He shook the cane in his hand.
"But why do I have such a thing though I'm not an aged fairy?"

Felimo began to walk using his cane in various way, poking gray roads , hanging on high places, turning round and round and so on.

He kept walking from undergrounds to rooftops of the buildings, from edge to edge of the town.

"I have come to such a place at last. But I didn't find out anything. My cane caused nothing. "
Felimo murmured with a disappointment, climbing the iron tower that stood at the town boundary .

However,
"Oh! What!?"
Something had changed in the town which he had looked down from the top of the iron tower.

The gray buildings and roads were the same as they were. There were of course no plants.

Felimo watched the town with his eyes rolling. And he finally understood that the entire town was filled with warm yellow light.

"That is the light that flowers give out under the sun. Is this town without any plants making a fool of me?"
He got terribly angry and threw the cane roughly facing to the town.

" Serve you right! Nyah,nyah! Blehh! Aha,oh!"
The tongue that had been extended long sprang back with a snap in his mouth.    

Felimo could see now the light that was flowing out from his cane falling round .

"My God! That's me who had scattered the light! "
He jumped out in the air panicking, and caught the cane.

Thud!!
He got a big bump on his head again.



"Oh! That hurts. But it doesn't matter. Why had I scattered such a light?"
Felimo began to walk with patting two bumps to make his head clear.

"Ouch! I am a flower fairy. But this town where I was born doesn't have even a fragment of grass. Ouch! And Ihad scattered the light of flower. What is the reason why?"

He was walking back seeking for the answer, then he met a strange thing.

People were inclining their heads to one side .Their looks were cheerful as if they had been thinking something pleasant.
All the people who were looking out of the window of the buildings, who were in their cars and so on had the same looking.

"Hey ,what's the matter? Where did you leave your usual bustles?"

Ferimo invisible to the people pinched the cheek of a man standing in front of him

"Ouch, I can't find out what is here now that had never been here before, even though I'm pinched by somebody."
The man said with a smile.
Listening carefully, Felimo knew that everyone was saying the same sentence.

The answer people wanted to know flashed into Felimo's mind.
"The answer is a flower. You are ready to find it out. Hum I'm losing patience."

Felimo pulled people's ears to open widely ,and shouted in
"It is a flower!"
But fairy's voice couldn't reach the people.



"Oh dear, what's that?!"
A woman beside Felimo pointed at the sky.

Where all the people looked up at ,there were a number of something fluttering, white , yellow, violet and so on.

"I'm sure that those are butterflies. Then, let me see. What seems to be here is a ..."
"That's it. One more word. "
Felimo poked the man's back who wore glasses and looked sticking something in his throat.

" A .. flower! It's not a flower but a great number of flowers that fill all this town.
The man shouted happily.

"So they are. Flowers."
"Butterflies came from a distant forest, thinking that this town is filled with flowers"
People said unanimously.

"Well, you have barely understood,haven't you?"
Felimo very tired from shouting lay down on the ground.

"We have felt the lack of something for this town all the time. What had invited the butterflies taught it to us"
Putting their works sideward, people began to make flower beds hand in hand .

You know the people were all hard workers ,so they soon made up the frames of flower beds, got the rich soil from the next town,and at last they sowed the seeds.

"If the flower fairy was here, the seeds would grow and blossom quickly by his magical charm."

"Yo-ho."Felimo stood up with a great effort.
"I want a short rest."But you say ' walk about the town and do your work' ,don't you? "

Felimo began to totter murmuring, but on his way he got a good idea. He staggered with his cane to the broadcasting tower that stood in the center of the town. And when he reached there, he spoke through the microphone.

"Every plant, friend of me, open your bright eyes and show me your lovely face!"
His voice that went out from the big speaker shook the flower bed in the whole town tremblingly.

The seeds in the soil put their buds out at once, grew bigger and bigger, and came to flowers in various colors. 

" Hurrah! How wonderful! We have got it!"
The cheers filled with people's pleasure overflew in the town , of course flew to the broadcasting tower.

"Faah , I became entirely tired. "
With a big yawn ,Felimo lay dozing and soon began snoring.



"See! What lovely flowers they are!"
"Who did that? A wonderful companion is surely living in that town.."
The flower fairies that had passed by, now got together up in the sky.

But Felimo didn't care that at all and talked in his sleep happily.
"Please give me a break.. I 'm terribly sleepy."

                                     
the end


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